Title: ラピュタ。
原付の排ガスの匂いをかぐと、なぜかふわっと境界が曖昧になりそうになって、それがなんでかずっと不思議だったんだけど今日わかった。
原付の排気ガスの匂いが旅の記憶に直結しているからだ。アジアの町でこの匂いのしないところはほとんどないと思う。
まとわりつくような重い夕暮れに、原付にのって肉屋さんにいった帰り道、ぶつ切りの鶏肉をぶら下げながらそんなことを思った。
境界が曖昧になる。
この感覚が好きだ。
外と内、自分と他人、今日と明日、現実と妄想。
白でも黒でもなく、その間みたいなところ。
自分はあなたの居場所はここですよといわれるのが苦手なんだきっと。
でもそれがわかってるのに、いつだって自分の居場所を探してるんだきっと。
見つかった居場所がぴたっとくればくるほど、そこからもぞもぞ抜け出したくなるくせに。
ラピュタをやっと見つけたあげくバルスするようなもんだ。
安心と不安も紙一重。
安心できなければ不安もわからなくて、不安でなければ安心もわかんない。
これもどちらかだけで成り立つものじゃない。
それを感じれば感じるほどに、境界を曖昧にすることでしか回避できないことがあるなと思う。
右でも左でもなくて0でも1でもなくて、白でも黒でもないところ。
そもそも生きることはすでにもう白でも黒でもなくて、老病死のデメリットを抱えていて、どうしょうもない渦みたいなものを抱えていなければいけなくて、理屈じゃないことだらけでわかんないことだらけで。
くそう。と思うたびに世界とか人であることを疎ましく思うこともあるけど、そこに対になった感情がそれでも自分に足をださせるんだろうと思う。
POSTED @ 2010.06.15 |
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