Title: もうひとつの愛地球博
興味深い話を聞いた。
万博の中にコーサカス共同館というパビリオンがある。
アゼルバイジャン共和国・アルメニア共和国・グルジア3国で共同出展されているパビリオンだ。
世界情勢に詳しい人ならここで、あれ?って思うかもしれない。
アゼルバイジャンとアルメニアはいまでも国境は封鎖されていつ紛争が起きてもおかしくない状態だ。ナゴルノ・カラバフを巡る対立で多くのアゼルバイジャン人とアルメニア人が命を落としている。
そしてアゼルバイジャンはイスラムを信仰しアルメニアはノアの箱船伝説の残るキリスト教国である。
このように様々な対立のある両国が共同出展をしているわけだ。運営側の話も興味深いんだけど長くなるので。
ここではその各パビリオンで働くスタッフの話
アゼルバイジャンのパビリオンのスタッフの女の人の家族はアルメニアの侵攻の時に家を失い、いまは難民認定を受けいまでも苦しい生活をしているという。
一方アルメニア人スタッフの女の人は直接紛争をしらないがアゼルバイジャンの人間とは口をきくなと家族に厳しくいわれて日本にきたらしい。
そして万博が開幕してはじめは目も合わせず、口もきかなかった二人が、一緒に仕事をし始め一言二言はなすようになり。
少しづつ友情が芽生え、今ではお互いの国のことを話し合い、多くの誤解があったことに気づき、今では深く信頼しているという話をしていた。
彼女たちのコメントでは
「日本に来なかったら私はアゼルバイジャンという国を何も知らずに誤解をしたまま過ごしていたと思う。」
「はじめはアルメニア人と働くのはいやだったけど、いまこういう機会に巡り会えたことを感謝している。」
世界中にはたくさんの国があって、たくさんの国境があって、たくさんの人種がいる。
でもみんな人間なんだ。
人種である前に国民である前に
みんな人間である。
悲しいときにはなにを信仰してても
なに人であっても
涙を流し悲しむ
うれしいときには笑顔になるんだ。
万博の本当の意味はこういう認識をもてるきっかけになれることだと思う。
まえの日記にも書いたけどおれは自分の子供には世界中を旅させて、
その中でたくさんの人と触れあい、その対比の中から日本人であることを認識できる人間に育ってほしいと思う。
POSTED @ 2005.09.20 |
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