• PHOTO最終更新日2010年10月11日



follow me


Title: 年度末。


10年という時間は重くも長くもあるし短くも軽くもある。

思えばどこへ向かいたいかとか、どこへ進もうかなんて悩んでみるものの、結局人生というのはその時のタイミングや、環境や、出来事。そのたまたまの連続で成り立ってて、自分が頭で考えてどこかへ進もうと思ってもそれが必ずしもそうなるかといえばそんなことないことのほうが多い。

足を進めるうちに、二転三転右往左往暗中模索五里霧中でふらふらととにかく足をうごかしていれればそれでええんでないかと思う。ええねんええねん。夢とか希望とか目標なんていうものはあくまで方便みたいなものなのかもしれない。

人生は自分の思い通りになることなんて1つもない。言い切れる。なんかわかんないけどいろんなタイミングやいろんな出会いや縁とか、そんなおぼろげであやふやなもんで成り立ってて、自分でなんとかできるとか、自分の力で人生を切り開くなんて思い込んでるうちはきっとまだまだなのかもしれない。ほんとはよく見たら全部後付けなんじゃないかと思う。

初恋のあの人がもうすぐ母親になるんだって。なんてゆずの歌詞を何度もリピートして口ずさむ。

*
今日は年度の最後の日。

そんな日にタクシーにのったら運転手さんがこういった。

「今日で私最後の仕事なんですよ、今から帰るところだったんです。お客さんが私のタクシー人生32年間で最後のお客さんです」

集団就職で岩手から東京へでてきて、いろんな職を転々として、30歳でタクシーの運転手になったそうだ。「今日で終わりかと思うとすこしさみしいです、さて明日から何しようかな」なんていってる運転手さんに「おつかれさまでした。気をつけて帰って下さい」と車を降りようとしたら、運転手さんは振り向いて「ありがとうございました」といってくれた。その顔がすごくいい顔だった。

あのやり遂げたぜという満足な笑顔にタクシー人生最後の「ありがとうございました」なんだろうなと思ったら少し胸が熱くなった。

それだけに運転が下手すぎて粗くて、人生最後の客が気持ち悪くなったことだけは悟られないように満面の笑顔でタクシーを最後まで見送った。見送った後なんとも言えない微妙な気持ちでおれっていい奴だなと思った。

*

神楽坂の蕎楽亭という蕎麦屋さん。そうとう美味しいです。麦好きならぜひ一食の価値ありです。2軒目の前にちょっと蕎麦でもってな感じで。

POSTED @ 2009.03.31 | Comment (0) | Trackback (0)

コメントを書く。


  • 自己紹介:1980年1月9日生まれ。どこからを趣味と呼んでいいのかは模索中。好奇心は旺盛。