• PHOTO最終更新日2010年10月11日



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Title: いま自分の目に映っているもの。

「人間は見えるものを見るのではなく見たいものを見る」という言葉がある。

少しはやいけど今年1年を振り返ってみると本当にいろんなことがあった。世界的な株価暴落、餃子事件に年金問題や大相撲の問題、今年も戦争やテロが減ることはなかったし、日本では自殺者は3万人を超えた。事故扱いにされていない自殺者を含めればきっとゆうに5万人近くになるんじゃないかと思う。911のテロで行方不明または亡くなった人が約3000人、そう考えれば日本では毎月あの規模のテロが起きているのと同じくらいの人が自殺をしている計算になる。それに社会的格差もどんどん広がる。

もういろんなことが覆い隠せないぎりぎりのところなんだろうなと思う。

どんなにいいところを見ようとしても、明るい話題を持ち上げようとしても。夢とか希望を胸に掲げてどんなにポジティブになろうとしてもそれがハリボテだってみんなが気付き始めてるんだろうと思う。

そんな時代だからこそニートやネットカフェ難民をみて、ああはなりたくないねという。ホームレス中学生をみて自分はまだ幸せだなと思う。ある統計によれば秋葉原の事件をみて世論の多くは犯人にたいして同情の気持ちを持っているという。きっとおバカキャラが世の中に受けるのもきっとおんなじ理由なんじゃないかと思う。どこかで自分の中にある優越感を安心に変えようとしてるのかもしれない。まだ自分はましだって。

いつ自分がそうなってもおかしくないという不安がだれにでも見え隠れする。誤解を恐れずにはっきりいうなら、この社会で田中角栄のような人が生まれてくるのはありえないですよ。今の社会じゃそれなりに教育をうけてきて、それなりに社会的地位がなければ、のしあがれるにも限度があると思う。この世なのかを動かしてるのは数人の人間で、お金なんていうのは上の方でうまいこと循環してるだけですよ。コツコツ頑張った人だけが報われるかいえばそうじゃないです。まさにマルクスが心配した通りの世界じゃないか。いままで資本主義の恩恵にあずかってきてそのデメリットに目をむけてこなかったツケがいまになって表面化してるんだろう。

しかもそんな世の中に対する心の不安に病名までつけてそれを治療しなきゃいけないといって、心の病んだといわれる人を作り出して薬を処方する。

不安は病ですか。

思うにこんな時代じゃ鬱になるほうが正常なんじゃないかとすら感じてしまう。毎月何千人も自殺してる国でそれでもハイテンションでなんとかなるさ。なんて言っていることの方が異常じゃないかと思う。

この現実に目を背けたり、気付かないふりをしたり、ましてや夢や希望があれば乗り切れるとはしゃいでももうどうがんばっても覆い隠せないんですよ。

それを前向きに乗り切ろうと、希望や夢で乗り切ろうとするから苦しくなる。乗り越えられないことがあたかも弱い人間で、順応できない人間をだめな人間であるかのような価値観なんかくそくらえですよ。

こうなりゃあきらめるしかない。

「人間は見えるものを見るのではなく見たいものを見る」

いま自分の目に映っているものが正しく見えているものではなくて自分が見たいものではないかと、もう一度自問自答して正しい目で物事を判断することが大事なんじゃないかと思う。

そんである意味開き直る。

諦めるというと否定的なとらえられ方をするけど、社会とか世論とかの物差しから離れた物差しに持ち替えて価値観をはかっていくことが必要なんじゃないかと思う。幸せの価値観すら刷り込まれている自分に気づくことじゃないかと思う。

だれでもない。

幸せは自分の心がきめる。

そもそも幸せってなんですか。

っていう原始的な疑問をもう一度真剣に考えるべき時代なんじゃないだろうか。

なんてことを漠然と考えてたら悶々として眠れないので今日は帰ったら一杯飲んで鼻くそほじりながら羞恥心でも口ずさんで「宇宙兄弟」でも読みます。宇宙兄弟かなり面白いですよ。「プラネテス」が好きな人や宇宙が好きな人にはぜひお勧めです。

POSTED @ 2008.11.26 | Comment (0) | Trackback (0)

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  • 自己紹介:1980年1月9日生まれ。どこからを趣味と呼んでいいのかは模索中。好奇心は旺盛。