Title: 不可侵。
瞑想をしてて漠然と感じたのは。
「不可侵」という場所を維持できるのは意識と心だけなんだということ。でも人間は「不可侵」な場所を持っているかどうかというのは大事なことなんじゃないかと思った。「不可侵」というのは、いうなればだれにも干渉されないという意味であり、もっといえば感覚的なものだと思う。
そういう意味では宗教は、論理的なものではなく、完全に感覚的なものなんだと思った、感覚だから、痛いとか悲しいとか、嬉しいとか、おんなじ並びで。「不可侵」を感じる感覚みたいな。
宗教というものは本来そういうものなんだろうと思う。人間の感覚を思い通りにすることなんてできないし、最後の最後にそういう感覚を自分の意識でもって保って維持することは大切だと思う。
言葉にするのはものすごく難しいけど、
自分の家も、自分の部屋も、車の中も、休日のオフィス街でも、夜中の靖国神社でも、どこでも。
だれも物理的に邪魔できない場所であろうとも、それは決して不可侵ではないし、そこで開放感を一時的に得ても、それはいつなんの干渉があってもおかしくない。
でもなんびとも、どんな条件も干渉できない場所、そういう場所を心に持っていることは1つ心に安穏を保つ要素になるんじゃないかと思った。
言葉にするのはすごく難しいけど、瞑想をしていると、顔のどこに風があたっていて、どこに光を当たっているのかとか、身体の左右の温度の違いとか、なんかイメージ的な問題だけど、身体の中で血が流れてるような感じまで、手に取るように感じることができるポイントがあって、そこにいると、自分を内側から、ながめてるみたいに。なんか自分の眉間の奥底に小さな意識があって、そこが身体全体を眺めてるような感じになることがあった。
すごく冷静に自分のことを眺めていて、周りからきこえてくる音や、自分の身をつつんでいる全部の要素が1つ1つクリアになっていくような感じ。
散漫してる意識を全部自分の中にもってくるような・・・
そこの居心地はすごいよくて、ふと思ったのが、これこの感覚だれにも邪魔できないし、この感覚は自分の意識次第でいつでもはいれるし、そうおもったら、すげぇな瞑想。と思った。
そこにいきつくまで居眠りを繰り返して3日くらいかかったし、自分ひとりでやれと言われたら絶対無理だけど、朝暗いうちにおこされて、また瞑想かよ・・・といいながらも、何時だと思ってんだ、おい舎監!(秀明ネタ)とかいいながら・・・いやでも2時間とか座ってなきゃいけないし、なんにもしないのもつらいし、仕方ないはじめはいやいやでも言われたとおりにやるしかないかと、目をつぶっているときに、ストンとそこにはいってからは速かった。むかしからコツをつかむのには時間がかかるけど、コツを掴んでからははやいんだ。
きっとそれが正しいのかどうかもわかんないし、きっと入口の入口で、こんな簡単なもんじゃないんだろうけど、ものすごく気持ちいいところであることは間違いない。
そんなことを感じてたら。
いままで自分が宗教を扱っていて、頭のどこかで誰かに求められたいとか、誰かに評価されたいとか、お寺を守らなきゃとか、物理的なところにばっかり目がいってたけど、ああ宗教とか仏教は、そもそもなんか、もっと感覚的なもので、そういう安穏みたいな感覚を得るためのものであって、自分の物理的な欲求が満たされないからといって、もがいてたら、まさに、being じゃなくて doing だけじゃん。とか思った。
社会から無力でも、自分にとって無力でなかったら、それはもう十分宗教が成り立っているんだろう。
もし宗教とか、教団とか、だれかに圧力かけられて消えちゃって、日本中からお寺が消されても、自分のこの感覚はなくならないし、この感覚だけあればどこにいても大丈夫かもとすら思った。
箱ものを維持するのにだけに躍起になるよりも、なん人も干渉できない感覚1つで、仏教はどこでも実践できると思う。
そう思えば蓮如さんが吉崎御坊を捨てたのもなんかわかる気がする。
それに、誰かを自分と同じ感覚にさせようと思ったら、自分がその感覚を得るのにつかった時間の何十倍もかかるだろうし、そんなこと自分の持ち時間の中だけでできるんだろうかという疑問もわくけど。
きっといまの自分にできるのは、その人の中にある感覚を一変させるのなんて無理だから、現状をどうこうしようとして、そこで無力を感じたり、追い詰められてる人に、現実をどうこうして変えるんじゃなくて、いまあるものを自分の中でどうやって安穏に変えるか。その思考の切り替えを説いていくということが大事なんだろうと思う。
そういうときに仏教とかあると、けっこういいですぜ。仏陀さんもなかなかいいこと言ってまっせ、とか言いながら。
なんか堅いところばっかだからつぎは、ちょっと軽い裏話でもかこ。
POSTED @ 2009.11.18 |
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