• PHOTO最終更新日2010年10月11日



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Title: さくら。


西行法師は「願わくは花のもとにて春死なむその如月の望月のころ」と詠んだ。風に吹かれて散り始めた満開の桜の下を歩いているとその気持ちがわかるような気がする。やっぱり桜はいい。

20万人も上野にいるなんて知らずにその1人になってしまった。しかし日本人というのはなんでこうも桜が好きなんだろうか。

思うに、控えめな小さな花だけでなく、桜は散り際こそが美しいと称されるように、その儚さや潔い散り際に日本人は、昔から自らの人生や生き方を重ね合わせていたからだと思う。無常なる人生を桜にみるというのがきっと根底にあるんじゃないだろうか。

儚く潔く、そして一瞬で散るからこそその美しさに輝きが増す。その一瞬の輝きを一目見ようとたくさんの人が花見に出かけるわけだ。

そう思えば、桜が散るのはあたりまえのようにみんな分かっていて、その一瞬の輝きを称賛するならば、きっと人間の命もおんなじようなものなんじゃないかと思う。桜が散るのはわかっているのに、わが身が散るのは忘れがちなのが人間。散るからこそ美しいのは桜も命もおんなじだ。

散ることをしっかりと自覚して初めていまに輝きが増す。輝きの増した今に命に感謝できる。いつまでもあると思うな髪と命です。その気持ちを大切にしたい。

西行法師にちなんで一句「いまここを 肴に一献 日々花見」と酒飲みの言い訳のような句で。おあとがよろしいようで。

POSTED @ 2009.04.06 | Comment (0) | Trackback (0)

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  • 自己紹介:1980年1月9日生まれ。どこからを趣味と呼んでいいのかは模索中。好奇心は旺盛。