• PHOTO最終更新日2010年10月11日



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Title: MC6

この年になると、いままでどうだった、いままでこうだったとか。

過去の経験を引き合いに、物事を判断したり、判断材料の経験というものの占める割合が大きくなっきてる気がする。

前に失敗したとか、成功したとか、もちろんその確率論を参考にするのは大事なことだけど、でもたかだか29年やそこらで得た経験の価値観なんてものは、たいしたことないし、そんなものに絶対性はない。むしろ、物事は目の前の一瞬がすべてで、同じ一瞬はどこにもないわけで。

なんでも経験してみて、知識で得られる半分と、その先のもう半分を得るためにも、足を動かして前に出るのをやめちゃだめなんだろうと思う。

人生何年生きるかわかんないけど、いつもたかだかだと、今の自分の不確実性と脆弱性を頭に置いておくことは、ちょうどこの年においてとても重要なことだと思う。

頭の固いおじさんがさ~とかいいながら、自分はそうなってないかい。いままでそんなことはなかったとか。いままでこれでうまくいってたとかいってないかと、自問自答して、またもんもんとする。

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自分が一番大切にしているもの、大切にしたいものがなんだか、やっとすこし言葉にできるようになった気がする。いままでの人生で得た一番大切だと思うものは、感性だと思う。

1つの物事にどれだけのことを感じて、心をとめることができるか。
それをいかに自分の脳みそにつなぐことができるか。

物事は観念でなりたっていて、理論というもののほとんどは、断片か側面かにすぎなくて、全体をとらえるということは、きっと全部をあきらかにしないということなんだろうと思う。

そもそも、あきらかにできる事項なんて1つもない以上、事実なんてものは1つもないわけで、それを自分の落とすために、絶対にとおらなきゃいけないのは、感性で、感性を磨くということは、すべての世の中世界中の物事につながってくるとすら思う。

言葉や理屈のもつ善悪に惑わされるのではなく、それをこえて感性で物事をうけとめるということが重要なんだと思う。

感性を育んで、磨き続けることが自分の人生の課題であり、取り組むべき課題なんだろうなと最近強く思う。

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世間のイメージというのがあるけど、でも1つだけお坊さんに対して、世間のイメージが事実と1つだけずれてるなと思うことがある。

それは、お坊さんというのは聖職者で、悟りというほどでもないが、迷いとかから解き放たれてて、むしろ迷ってる人を導く立場であるとか、いつも穏やかで、怒らないとか、いらいらしないとか、なんだろう、にこにこして安穏に、心に平穏を保っていられて、迷いとかを超越してるみたいな。八つ当たりとかしないよねとか。極端なイメージだけど。そんな風なイメージを持ってる人がいる。

でもお坊さんというのはそうじゃない。

迷えることがお坊さんなんだと思う。むしろ真剣に迷えることがお坊さんなんだと思う。

普通の人がつまずかないようなところに躓いて、人が頭を抱えたりしないところに苦悩したり、目をつぶっていてもやり過ごせるところをほじくりかえして、悩みまくってるんだよ。

生きていくとか、老いていくこととか、病気になることとか、死ぬこととか。

そんな、日常生活をするうえで全くやり過ごしても、その時になるまで気づきもしないようなことを、いつも頭の片隅においてるんだよ。そんでなんでなんだろうか、なんで人は生きてて、老いて、病気になって死ぬんだろう、なんでそのたびに苦しむんだろうとか、根暗に考えてるんだよ。

明日の晩御飯はなんなんだろうって考えるみたいに。どんなに幸せでも、頭のどっかに無常とか思うし、ずっと続く幸せなんてないと思ってるし。

それに火葬場に足を運んで、亡くなった方や残された人たちを目の当たりにしていると、いつか自分も、こうやってしぼんでいって、かたくなって棺桶にはいって、ごうごうと燃やされる日が来る。それにしぼんでかたくなった親や大事な仲間を火葬場の前でこうやってあの重いふたの奥へ送り出す日が来るんだと思う。

それをどう受け止めていこうか、それを受け止めるためにはどうしたらいいんだろうか、何百年も前から、そういうことを考え抜いた人達の残したものに答えをさがしたくて経典をひらくわけで、お経を読んでるわけですよ。そんで「今」ってなんだろうとか、考えて、悩んだりするわけです。

だから全然穏やかじゃない時もあるし、安穏じゃないし、むしろ、そういうことを突き付けられるたびにいやだなぁ目をそむけたいなぁとか思うことがあるし、右往左往して、悩みだらけだ。答えも出ないし。

そんなもんなんじゃないかと思う。お坊さんというのは。そんでそこで生き続けることで、しっかりと自分の限界を知るんだと思う。

POSTED @ 2009.11.04 | Comment (0) | Trackback (0)

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  • 自己紹介:1980年1月9日生まれ。どこからを趣味と呼んでいいのかは模索中。好奇心は旺盛。