• PHOTO最終更新日2010年10月11日



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Title: 20世紀少年。


映画20世紀少年をみた。

映画化すると残念なものというのは多々あるけど、この漫画は映画化されてなおその魅力や深さが増した気がする。

監督はきっとあの絡み合ったストーリーだけでなくそこに込められた想いや、にじみ出てくる部分までしっかりと自分の中に落とし込んでいるんだろうなぁと感じた。この作品に対する真剣さがものすごく伝わってきた気がした。

「ともだち」ってものを大きなテーマにして、そこから人間の本質的な部分がにじみ出てきているような気がして、その人間くささが最高だった。まさに人間は一筋縄ではいかないんだぜ!でもそのなかでもがきながら苦しみながら、まっすぐに生きてく奴もいれば、ゆがんだ奴もいて、それがこの世の中だぜ!

いま現代こんな世の中に求められているのは、なんでもできてかっこよくて強いヒーロー像ではなく、かっこわるく、そんなに強くもないのに、心の奥底に秘めた信念があって、いろいろなことをあきらめつつも、ここ一番でそこに命をかけてやるとおもえるような無鉄砲さなのかもしれない。

「人間は無謀だとわかっててもやらなきゃいけないときがあるんだ」

という少年時代のケンヂのセリフに込められた「熱さ」はクールなことがかっこいいとされた時代に疲れて、どこか希薄な人間関係にむなしさを感じる今の世の中に一石を投じるものだと思う。

そしてそんなケンヂをとりまく仲間たち。オッチョをはじめとして、そんなケンヂの熱さに惹かれる仲間たちも魅力的だ。映画をみているうちに自分のその仲間になってしまったかのような錯覚すら覚えるのは、やっぱりケンヂのすごさは、なによりもこの仲間をつくれるという才能なんだと思う。

でもいつだってそういう人間がいたら、それにあこがれる人間、それを羨む人間もいる、その眩しさにあこがれ、自分も仲間になりたかった、でもそこにはいれない自分、その彼が自分なりにつくりだしたケンヂ像が「ともだち」だったのかもしれない。

その「ともだち」のゆがんだヒーロー像、そしてそれをうまく政治や宗教に利用するともだちの仲間たち、その仲間たちもまたそれぞれにいろいろなものを抱えている。

映画になって初めて深く気づかされたのが、このともだちやその周りの人間の抱えていたものの深さ、そしてそのともだちのかかえているものは、この時代誰の中にだってあるものなんじゃないかということだった。

幼少時代の無垢な想い、それが大人になっていくなかでどう変わり、どう形になり、どう手垢が付いていくのか。それを生々しくリアルに表現されている気がする。

ともだちはきっと。ただケンヂみたいになりたかったんだ。ただケンヂたちと遊びたかっただけ。最後はそこなんだろう。その深さ、そこにある思いには鳥肌がたつような気すらする。

光があれば影ができる。それは切り離された別のものではなく、片方だけでは存在できない1つのものなんだと思う。

第1章で出来上がったこの大きな世界観の中で、これから続編で繰り広げられるストーリーを通して、ケンヂや仲間たち、ともだち、そして友達を取り巻く仲間たちの心境の変化や、葛藤など、その人間くささがどう描かれるのが楽しみ。

POSTED @ 2009.04.21 | Comment (3) | Trackback (0)

小生も拝見致しました。凄いスピードでストーリーが進み、意味がよくわからなかったのですが、意味のわからなさが面白かったです。

Posted by: 大正 @ 2009年04月23日 22:27

小生も拝見致しました。凄いスピードでストーリーが進み、意味がよくわからなかったのですが、意味のわからなさが面白かったです。

Posted by: 大正 @ 2009年04月23日 22:27

コメントありがとうございます!たしかに原作を読んでからでないと登場人物やストーリーなど、展開がはやすぎるかもしれないですね。原作もおもしろいのでぜひ両方読んでほしいです!

Posted by: RYO @ 2009年04月24日 09:11

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  • 自己紹介:1980年1月9日生まれ。どこからを趣味と呼んでいいのかは模索中。好奇心は旺盛。