Title: 夏におきた事件の話
夏におきた事件の話を書くと言ったら
各方面からああ!あの事件ですか。
それともあの事件のこと?
ああそういえばあんな事件もあったね。
その中には覚えてるモノも
覚えてないモノもある。
俺は一体いままで夏に何をしてきてたんだろうか・・・・・
でも俺が一番はじめに思い出すのはいつもあの事件だ。
おれが初めてやった大きな事件かな。
でもまだ時効になってないと困るから大まかに書く。
あれは忘れもしない高校1年の夏
全寮制で育った血気盛んな思春期の少年達は
大抵夏になるとなにかでかいことをしたいとか言い出すもので
例外なく僕らも何かがしたいと口々に言い始めた7月の半ば
毎年夏休みを目前にしてそれぞれいろんな計画を持ち出し
採用されるとそこに向けみんなで動き出すのが常だったのだが
なぜかその年は例年のような無難に夏を過ごそうという計画があがらず
だんだんとみんなのテンションだけがあがっていくのがわかった。
■参考までにそこで挙げられた計画の数々■
夜の丸の内サバイバルゲーム計画
どろけい in 都内
海まで自転車計画
原宿で水鉄砲戦争
などなど
ここには書けないモノもあるけど今思えば
これのどこがでかいことなんだろう・・・・・
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ここで誰かが宗田治の小説でも持ち出せば
間違いなく僕らは廃工場を探し出し立て籠もっただろう。
七日間ほど。
そこで俺はみんなにかねてより密かに温めていた計画をうち明けた。
それは題して「夜の遊園地計画」
もともとこれを思いついたのはディズニーランドに行ったときに
どこかに隠れてて、閉園後のディズニーランドを走り回ったら
どんなに楽しいだろうと思ったことから始まった。
しかし天下のディズニーランドまではあまりに遠く
しかも事前に計画が立てにくいことから
決行場所を都内某遊園地に置き換え
この計画を熱く友達に話したところ
みんなそれだ!と満場一致で可決された
まぁその中にはびびって当日参加をボイコットした奴もいたが・・・・・
計画の大まかな流れはこうだ。
事前の偵察により深夜人目につかずに忍び込めるポイントが発見されたことから
そこから中に入り当時画期的だった絶叫マシンのコースを歩いたり
中にあるアトラクションを片っ端からのり倒そうと言うものだった。
(無論動いてはいない)
参加予定人数は10人(当日不参加は2名)
そして決行当日
集合してひたすら大音響でブルーハーツを聴きまくり
かるくトランス状態の8人は、
まずはじめに一つの取り決めをした。
何があっても仲間を見捨てない。
もし警察ざたになるようなことがあれば
必ず体を張ってお互いを守り
何があっても全員が無事で帰還すること。
メンバは主にラグビー部、柔道部、サッカー部を中心として大半が体育会系
がたいもよく熱い男がそろっていたのでその取り決めは僕らに安心感を与えた。
近くの駅からその某遊園地に向かって4人ずつ2組
でタクシーにのりその遊園地に向かったのだが
そもそもここで悲劇の引き金に手がかかったのだ。
テンションのあがりすぎた一人バカの行動がのちに
僕らをどん底にたたき落とした。
近くの駅から2台のタクシーにのった4人組2グループのうち
おれの乗ったタクシーは後に現場に到着する方だった。
ドア側から俺、A君 F君 前の座席にH君
到着すると前の座席に座ってたH君は普通に下車
その後ドア側から俺・A君の順でタクシーを降りる
暗黙のうちに代金はF君持ちになるはずだった。
次の瞬間
「釣りはいらねぇ!」
とF君が大声で叫び
僕らを追い抜いて深夜の街にダッシュ
僕らも訳がわからずつられてダッシュ。
そして息をきらせて進入ポイントまで一気に駆け上がり
先に待ってた4人と合流しF君に何がおきたのか聞くと
F君はタクシー代金1800円ほどに対し
50円玉をおいて逃げてきたのだそうだ。
そしてあの一言だ・・・・
今思えばあきれてモノもいえないが
その瞬間間違いなくF君は英雄になった。
きっと彼が人生で一番スポットの当たった瞬間だっただろう。
その英雄的行動をさんざんたたえ合った後
僕らは進入ポイントの柵の前に並んだ。
さぁいよいよ
「夜の遊園地計画の幕開けだ」
>>つづく
POSTED @ 2005.06.26 |
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