Title: 心を何に例えよう。
ゲド戦記をみた。
巷ではあまりいい評価ではないみたいだけど、さすが宮崎駿の息子だなぁと思った。目の付け所やきっとなにかを感じる心はやっぱり遺伝子なんだと思う。ようはそれをどう伝えるか表現の問題なんだと思う。いままでのジブリとは描写の仕方も作り方も違うからいままでのファンには受け入れらずらいかもしれないけど、1つの作品としては楽しめると思うし、これからきっといいアニメを作ってくれる人じゃないかと思う。
何事もインプットとアウトプットの作業はまったく別で、普通の人はその両方とも普通なんだろうけど、どちらかがものすごく優れてるだけでもすごいのに、宮崎駿監督はインプットもアウトプットものすごく幅が広くて深いんだと思う。おもうにそういう人が一握りの天才なんだと思う。
ものすごく感受性が高いのに表現が追いつかない人や、逆に表面だけしか見えてないのにものすごい表現力のある人もいる。
インプットとアウトプットどちらのレベルもあげていかないとだめなんだろうなぁ。なにごとも。
ゲド戦記に関してはいいたいことはたくさんあるんだけど1つだけ。感じたこと。
宮崎駿夫監督との決定的な違いはキャラクターに対する愛情というか、キャラクターの動機付けの深さだと思う。
宮崎駿夫監督の作品に登場するキャラクターには人柄や雰囲気、人間くささというかきっとこういう人なんだろうなと想像させるに十分な背景が描かれているけどゲド戦記にはそれがなかった。
だから見終わった後に心に残るキャラクターってのがいない。ウサギはいいキャラだったけどもうちょい背景が欲しかった。
主人公じゃないのに愛すべきキャラというか。
マンマユート団やフェラーリンやカーチスや、トンボやジジにムスカやドーラ一家やユパ様やカンタにカオナシ。カルシファーやマルクル・・・あげたらきりがないけど、宮崎駿夫監督の作品には主人公以外にもほんとに愛すべきキャラクターがたくさんでてくる。そのキャラクターだけでショートストーリーができるんじゃないかっていうくらい短い登場でもものすごく細かく心の動きや背景が描かれている。
キャラクターありきのストーリーなんだと思う。
そういう細かい描写のこだわり方がはんぱじゃないからだから何度見ても面白いんだと思うし、どこも手を抜いてあるところがないと感じるんだと思う。
あと物語を通して伝えたいテーマに関しても、はいこれですよ!これが伝えたいんですよ!っていうのをストレートに言葉で伝えるのではなく、見てる側が背景やキャラクターを通して自然とそれを感じられるような、心の中でそれが燻し出されるような手法はやっぱり宮崎駿夫監督ならではなんだと思う。
来年の夏には宮崎駿監督作品「崖の上のポニョ」の上映が決まったそうです。ものすごく日本的な仕上がりになるそうです。いまからものすごく楽しみです。
POSTED @ 2007.07.12 |
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