Title: 幼稚園の話
たまには幼稚園の話。
つい先日幼稚園で発表会という行事があった。まぁ俗に言うお遊戯会というやつですよ。年々涙もろくなっているとはいえほんと毎年これがぐっとくる。
ぐっとくるというとなんとなくそれまでなんだけど。もうちょい深くいうと、こういうのが心の琴線に触れるという感覚なんだと思う。4、5歳の子どもたちが歌う姿、演じる姿。正直音とかはずれちゃったり、せりふとかミスっちゃったり。
それなのに直接心にがつんと響く。ツーンと目の奥のほうが熱くなる。無論見に来ている家族の人たちも一言も声をださずにじっとその子どもたちの姿を見ている。というよりも目が離せないんだと思う。それが自分の子どもがでている出ていないにもかかわらず。
思うにそれがあまりにもリアルだからなんだと思う。
うまく演じようとか、うまく歌おうとか、そういうのじゃなくて。
楽しいとか。がんばろうとか。そういう感情がむき出しで、感情をそのままむきだして歌ったらこういうことなんだろうな。とか思った。
自分は歌手じゃないからわかんないけど。
きっとうまく歌おううまく歌おうと歌を極めて言ったら。
最後はここに帰ってくるんじゃないかとおもうくらい。
岡本太郎も晩年やっと子どもの頃に描いた絵に近づいてきたっていってたけど。本当になにも纏わず取り繕わず、むきだしのストレートな気持ちというのが人の心に響かないはずがないということを改めて学んだ気がした。
同時に。
うちの幼稚園ではこの風邪ひきの多いこの時期にあえて発表会をやる。これには親から違う時期にしてほしいという意見が出ることもある。でもここにこだわるのは、幼稚園というのは4月新学期なのでいまのこの時期というのは1年間子どもたちと先生がすごしてきてつながりが深くなってくるいい時期でクラスがひとつになってなにかをつくりあげるという点で一番いい時期だと感じるからで。
そういう目でみると面白いくらいに。
1年間を子どもたちとそのクラスの担任がどうやってすごしてきたのかがでる。ほんとわらっちゃうくらい。きっと本人たちはきづいてないんだろうけど。
1年目先生のクラスのでは子どもたちが一生懸命先生を助けようとしてるし自分たちで考えてみんなで声を掛け合ったりしてて、みてて暖かくなるくらいに子どもたちの結びつきが強かったりする。
3年目で中堅になってある程度結果の求められている先生のクラスでは、クラスの子どもたちがそんなまじめで一生懸命な先生の期待にこたえようと先生の一挙手一投足から目がはなせなかったり。見に来てるお母さんもそっちのけで必死に踊りについていこうとしてる子がいたり。
だいぶあぶらものってきて、自信や余裕も見えてきてのびのびできていた先生のクラスでは子どもたちもみんな自信をもって舞台にたち観客席をまっすぐに見据えて堂々としてる。
どれが正解とかどれが不正解じゃない。
どれも正解なんだと思う。
子どもは大人が思っている以上にいろんなことを吸収していて、たくさんのことを感じているんだと思う。
またさらに思うのが。
去年までびーびーないてて何もできなかった子がりっぱに演じていたり、あんな赤ちゃんみたいだったあの子が堂々と歌っていたり。
1年という時間はこれだけ人を成長させられるんだ。この子たちが1年でこれだけ成長したのに、自分はこの1年でどれだけ成長できたんだろうかなんて気持ちにもさせられる。
発表会という行事は成長という目に見えないものを形にしてみせることが一番大切で。それをみせられるということはほんとに付け焼刃じゃだめなんだということを痛感した。
童心を育むということは。童心に学ぶことではなかろうかと生きてるときにおじいちゃんはいってた。
なんのこっちゃとおもってたけど。
今ほんとにそうだとおもうよ。
POSTED @ 2008.02.10 |
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